先の見えない時代だからこそ、柔軟に個人年金を活用しましょう

少子高齢化が進み年金不安が叫ばれて久しい今、国が用意している公的年金に加えて、生命保険会社などの金融機関が運営する個人年金保険に加入して老後の生活費を準備しようとしている方が増えてきています。
しかし、老後の生活費といってもどのくらいを準備したら良いかもわかりにくければ、社会が大きく変化している現代において20年後30年後の世の中の事を想像するのも難しいです。
こういう先の見えない時代だからこそ、個人年金保険で将来の備えを作る事は大事ですし、大きな金額を貯蓄していくので時代の変化に合わせて柔軟に見直していくことも大切です。
今回は、個人年金保険の見直しの必要性と具体的なタイミングなどについて解説していきます。

そもそも公的年金は、本当に不安があるのか?

あなたが今、給与から引かれている厚生年金保険料はどこに使われていると思いますか?未来の自分達が使うために貯蓄されている?
実は、今老齢年金を受け取っている高齢者の方達への給付金支払いに充てられています。
つまり、あなたが払っている年金は将来自分が高齢者になった時のための貯金などではないのです。
公的年金制度は、若い世代が高齢者世代を助ける世代間扶養というシステムです。
そして、これが個人年金との大きな違いでもあります。
若者が納めたお金で、お年寄りが生活するシステムなので若者が減れば、そもそもの財源時代も減ります。
そして、今は若者や働く世代の人がどんどん減っていく時代なので確実に財源は減っていってるということです。
こういった点を踏まえると公的年金だけをあてにしない老後の備えが必要だと思う方が増えてきているのです。

個人年金の仕組みと見直しのポイント

個人年金保険は、公的年金と異なり民間の生命保険会社や銀行などの金融機関が運営し、加入者が自分のために自分で貯蓄していくのが基本になります。
従って自分の希望する老後のライフスタイルに合わせて、必要な金額を算出して払える保険料の中で貯蓄していくことになります。
従って最初に大切になるのは、ご自身が定年後に毎月いくらの生活がしたいかということです。
実際に保険に加入する場合にはもっと具体的に細かく計算するのですが、おおよその金額を簡単に調べる方法があるので紹介します。
すでに契約をお持ちの方でこの計算結果と現状の契約にズレがある場合には見直しのタイミングであるといえます。

簡単な老後の必要生活費計算方法

かなりざっくりした計算法ですが、イメージはつかめると思います。
1.まずは自分達が60歳で夫婦共に定年退職したと仮定して、毎月いくらの生活費があれば不自由なく、ある程度趣味なども続けながら生きていける金額を計算してみてください。
国の調査では毎月二人で30万くらいあると趣味などを続けながら楽しく暮らせるとの意見もありました。

2.次にその金額を30年分になるように掛け算します。
例:生活費30万×12ヶ月×30年=10800万円。

3.そこから6000万(ある程度の貯金と一般的な年金の総受け取り額)を引きます。
1億800万ー6000万=4800万円。
この4800万という数字は、あなたが老後に望む生活をしようと考えた時に必要となるおおよその不足額です。
この金額を個人年金保険などで用意する必要があります。
実際には定年を5年延ばすなどの調整ができるので金額は少し変わってくる部分もありますが、現在加入している保険とのズレが大きい場合には見直しが必要になります。

個人年金の内容もチェックしよう

個人年金保険と呼ばれていますが、その中身は定期保険などと同じ普通の保険です。
実際に保険会社が商品開発をする際には、終身保険や養老保険といった死亡保険を活用して個人年金保険として販売しています。
つまり、終身保険や養老保険の生存給付金にあたる部分を年金として加入者に支払っているシステムです。
そして、この年金の受け取り方にはいくつか種類があるので自分にあった支払い方法になっているかも、見直しのポイントとして重要です。
代表的なのが確定年金と終身年金です。
年金と名前についていますが、受け取り方の種類を指しています。
確定年金は、あらかじめ加入者が決めた10年や20年といった期間に合わせて年金が支払われるもので、途中で加入者が死亡したとしても、代わりに家族が年金か一時金で受け取る事ができるようになっています。
終身年金は、その名の通り一生涯年金が受け取れる仕組みです。
加入者が生存中であれば期間の定めなく、受け取る事ができます。
デメリットとしては、加入者が早期に死亡した場合には払い込んだ保険料よりも受け取れた年金額は少なくなってしまうケースがあることです。
この受け取り方法に関しても、ご自身の希望に合っていないのであれば見直しのタイミングいえるでしょう。

時代の変化に合わせて、調整していこう

個人年金は20年~30年掛けて、老後の生活費を準備する大きな計画であり、大金を貯蓄する保険です。
その為、物価の変動リスクの影響を受ける可能性もあります。
私達が小さい時は缶ジュースが100円くらいでしたが、今では120円になりました。
およそ20年で1.2倍の金額になったといえます。
これを年金に当てはめると1000万あれば生活できていた人が20年掛けて1000万貯金したとしても、その時には1200万ないと同じ事ができない次代になっているかも知れないということです。
この状況でさらに200万をどこから持ってこようかという厳しい状況になりますね。
このリスクを避けるために、銀行などでは外貨を活用した個人年金をお薦めしてる所もあります。
外貨であれば国内での物価変動リスクや、日本円自体の価値が下がるリスクを避けられるといわれているからです。
全てのお金を外貨で貯金することは為替自体のリスクを高める可能性があるので、お薦めしませんが、資産の一部を外貨建てにするなどの調整も考慮していくと良いでしょう。
また、個人年金の目的は保険を掛けることだけでなく、老後の生活費を準備することです。
全てを生命保険だけで用意しようとするのではなく、確定拠出年金を自分で運用するのと同じで、一部投資信託を織り交ぜるなどして積極的に資産を増やそうとしている方もいるようです。
自分の望む将来に見合った金額と、受け取り方法、そして時代の変化に対応するリスク管理の3つの面で気になる点が生まれた時には個人年金保険を見直すタイミングであるといえるでしょう。